お盆と言えば日本の伝統的な行事で、先祖の霊を迎え、供養するための特別な期間を指します。私達の身近な行事としては盆休みや盆踊り、お墓参りなどがあげられますね。盆提灯を飾ることもそのうちの一つですが、盆提灯はそもそもどんな役割があって何の為に飾るものなのか、わからなことも多いですよね。今回はそんな盆提灯に関する疑問について解説していきます。

盆提灯はなぜ飾るのか
ご先祖様や故人の霊を迎え入れるための目印
お盆の期間中、故人やご先祖様の霊がこの世に帰ってくると考えられています。盆提灯の明かりは、霊が迷わず家に戻れるようにする目印とされています。そのため盆提灯は故人や先祖の魂が迷わず自宅に帰ってくるための目印 として飾ります。 盆提灯には、お盆が始まる際の故人の道しるべとなる 「迎え火」と、お盆が終わる際の魂を送り出す 「送り火」 としての大切な役割があるのです。送り火と迎え火について詳しく説明していきます。

ご先祖様や故人を迎え入れる
迎え火(むかえび)とは亡くなった先祖の霊を家に迎え入れるための火を焚く儀式です。一般的には家の玄関や庭先で行い、焚かれる火が先祖の霊の目印となり、迷うことなく家に帰ってくるとされています。ですが集合住宅であるアパートやマンションでは、火を使用することが制限されるのでできない場合がほとんどです。そこで替わりとなるのが盆提灯です。迎え火と同様「私たちがしっかりここでお迎えしていますよ」という目印になります。お盆期間中はご先祖様をもてなす意味で、行灯の明かりは日中も付けておきましょう。
ご先祖様の霊を見送る
送り火(おくりび)とは、迎え火と同じく「ここから見送っています」という目印として焚く火です。毎年8月16日に京都で行われる五山送り火(ござんのおくりび)で目にしたことがある人もいるでしょう。そして同じく盆提灯がその替わりとなりますのでこのタイミングで盆提灯の灯を消すことになります。
↓着火剤を使って簡単に火が焚けます↓

故人やご先祖様への感謝と供養
単なる目印だけではなく 家族が故人を敬い、故人に対する感謝や敬意の気持ちを表すものとされています。仏壇や盆棚の前、玄関先などに飾ることで温かな灯りが霊を慰めるとともに、家族の心を霊に伝える手段となります。

盆提灯を飾る期間
- 7月盆: 7月13日~16日
一部の地域(主に東京や関東地方)では新暦に基づいて7月にお盆を行います。 - 8月盆: 8月13日~16日
全国的に一般的なお盆の時期で、多くの地域でこの時期に行われます。これを「旧盆」と呼ぶこともあります。 - 具体的には、7月13日の地域でしたら7月に入ってから、8月13日の地域でしたら8月に入ってから飾りましょう。
初盆
亡くなった方の四十九日が過ぎた後に迎える最初のお盆を初盆(=新盆 にいぼん/しんぼん)といい、白提灯(白い提灯)を使用するのが特徴です。白提灯は「故人が初めて帰ってくる目印」として使用されるため、基本的に初盆以降は使いません。使用後の白提灯は昔は自宅で簡易的なお焚き上げをする場合もありましたが、現在は環境問題の観点から自身で分解して可燃ごみとして処分することが多くなっています。なんとなく心苦しいなと思う方は盆提灯を塩でお清めして手を合わせたあと白提灯の一部を切り取って燃やしたり、お寺や神社で供養してもらうとよいでしょう。

通常の盆提灯(色付き提灯)

吊るすタイプのもの、置き型のもの、さまざまな種類があります。どれも盆提灯としての意味合いは同じなので、自宅のスペースや雰囲気に合ったものを選ぶとよいでしょう。最近ではインテリアとして通年使用できるようなモダンなタイプも販売されていますので故人の好きだった色や柄が施されたものを選ぶのもいいですね。
↓【吊るす】【置く】の2way仕様↓

まとめ
この記事では盆提灯の意味や役割について解説してきました。昔は盆提灯の数=生前の故人の慕われ度なんてことも言われたそうですが、現在は住居のスペース問題などにより家族だけで盆提灯を用意することがほとんどです。堅苦しいマナーなどはさておき、お盆は家族や子孫が先祖とのつながりを再確認し、その恩に感謝する良い機会です。故人のイメージに合った盆提灯をお供えして思い出話に花を咲かせるのも良いでしょう。形、柄、色などバリエーションも豊富なので単なる仏具としてではなくインテリアの一部として探してみると気に入ったものが見つかるかもしれません。