お盆は大切なご先祖様をお迎えする行事です。きちんとお迎えが出来るように、準備するもの、またマナーなどをしっかりと押さえておきましょう!
お盆の準備はいつからどのようにするの?
お盆の準備の大半を占める精霊棚(盆棚)設置のタイミングとそのつくり方をご説明します。
精霊棚(盆棚)とは?
精霊棚(しょうりょうだな)は、お盆期間中に先祖の霊を迎えるために設けられる場所です。精霊棚の準備時期は、地域や家庭の慣習によって異なりますが、一般的にはお盆の前日や数日前に準備されることが多いです。精霊棚の準備時期や手順についてご説明いたします!
準備時期
- 地域や家庭によって異なりますが、一般的にはお盆の数日前から前日にかけて準備されます。
- お盆の期間や地域の慣習によっては、旧暦の7月13日(「旧盆」)や8月13日(「新盆」)などの特定の日に準備されることもあります。
手順
- 精霊棚は、家の一角や特定の部屋に設けられます。一般的には、神棚や仏壇の近くに設置されることが多いです。
- 精霊棚には、故人の写真や遺影、遺品などを飾り、お供え物として食べ物や飲み物、また花を用意します。
- 精霊棚には、線香立てや水入れ、お盆の道具なども置かれることがあります。
- 家族や親族が一緒になって、精霊棚を飾ることもあります。家族の絆を深める機会となることもあります。
精霊棚には何をお供えしたらいい?
ここからは一般的な御供え物も紹介していきます!
お位牌
お位牌が複数ある場合は最も古いものを一番右に置き、最も新しいものが一番左に来るよう順番に並べます。
盆提灯
盆棚(精霊棚)の手前両端に、盆提灯を一対並べます。これには、ご先祖の霊が迷わず辿り着けるようにとの思いが籠められています。
新盆(初盆)の際には絵柄の入っていない、白提灯を使い、お盆が終わったらお寺で供養してもらうか、送り火で燃やします。
精霊馬・精霊牛(しょうりょううま・しょうりょううし)
精霊馬・精霊牛とは、祖霊があの世とこの世を往来するための乗り物です。ナスやキュウリに苧殻(おがら。麻幹、とも。皮をはいだ麻の茎)などを用い足を付け、馬や牛の形を作ります。馬はなるべく早くこの世に来られるため、逆に牛はなるべくゆっくりあの世に帰ってもらうためだとも言われます。
こちらも別の記事にて詳しくご説明していますので、よろしければご覧ください。
ほおずき
ほおずきは祖霊を迎え入れるための提灯に似ているため、盆棚に飾ります。しめ縄に吊るすのは、「お盆」の正式名称「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が、サンスクリット語で「逆さ吊り」を意味する「ウラバンナ」の音写であることから来ているとも言われます。
昆布
細く長い昆布を供えるのには、イエが長く続くようにとの願いが籠められているとも言われています。ほおずき同様しめ縄に吊るします。
生花
お盆に限らず、お供えの花はバラなど棘のあるものや、弦(つる)のあるアサガオなどは避けた方が良いでしょう。
素麺(そうめん)
祖霊が帰ってくる際に乗る馬の手綱に見立てているとも言われます。
水の子(水の実)
蓮の葉の上(地方によっては深めの器に水を入れたもの)に、賽の目に刻んだきゅうりやなすと洗い米を乗せたものです。祖霊をお迎えするにあたって、すべての霊に食べ物が行き届くようにという思いが籠められています。
閼伽水(あかみず)・ミソハギの花
清浄な水(閼伽水)を入れた深めの器に水の子をひとつまみ入れ、精霊花である「ミソハギ」の花を数本束ねてお供えします。ミソハギは漢字で「禊萩」と書き、あの世からついてきた悪霊を払う(みそぎ)ためだと言われ、地方によってはお墓にもミソハギの花を供えます。祖霊の喉の渇きを癒すためだとの言い伝えもあります。
季節の野菜や果物
百味五果といって、スイカなどに代表される夏の野菜や果物をお供えします。
お盆の時に最低限覚えておきたいマナー5つ!
迎え火をしてお迎え
「迎え火」は、ご先祖様が迷わずにおうちにたどり着けるための目印になるものです。一般的には13日の夕方に迎え火をして、お迎えをします。家の門や玄関先に焙烙(ほうろく)と呼ばれるお皿を置き、おがら(麻の茎)を入れ、火をつけて焚き、煙を天へ上らせます。地域によっては白樺の皮を使うところもあり、焙烙の代わりに耐熱皿を使う方もいます。
迎え火を焚いている時は、ご先祖様をお迎えする気持ちで合掌しましょう。集合住宅などベランダで行うのが難しい場合、代わりに盆提灯をつるすだけでも大丈夫です。
お墓・仏壇の掃除
お盆は、お墓や仏壇をきれいに掃除するいい機会です。自宅に友人など来客を招く時と同じように、ご先祖様を迎える場所をきれいに掃除して整頓しましょう。お墓には雑巾持参で行き、水をかけながら墓石についた汚れを落とします。仏壇はホコリを落とし、きれいな雑巾で乾拭きするとよいでしょう。
お墓の掃除が終わったら、供花や故人の好きだったものをお供えし、お線香を焚いて合掌しす。お墓掃除の際は、真夏の暑い時期でもあるため、必ずしも真黒なフォーマルである必要はないが、華美な服装は避けるのがマナーです。靴も歩きやすいものを選ぶとよいでしょう。
お供えものには、白い掛紙をかける
仏壇には、基本的に「五供(ごくう)」と呼ばれるものと、野菜で作った馬や牛、そして故人の好きな食べ物や飲み物をお供えします。五供とは、香(線香)・花・灯(ロウソクや提灯)・浄水・飲食という5つの要素からなるお供えです。
逆に、お盆参りで親類宅にお邪魔することもあるでしょう。その際は、菓子折りや果物には「のし紙」をつけないのがマナーです。のし紙とは、のし・水引・表書きなどを印刷した紙であり、贈り物にかけます。お盆参りではその代わりに、真っ白い掛紙(かけし)をかけることを覚えておきましょう。のしは、もともと「のしあわび(薄く伸ばして乾燥させたアワビ)」のことであり、生物の殺生をイメージさせるため、お盆の供物には用いないのが常識です。
お金をお供えする場合は不祝儀袋に入れる
初めて迎える初盆(ういぼん)では、お金をお供えすることもあります。初盆では多くの人がお参りにやってきて、お供えものでいっぱいになり、ご遺族がてんてこ舞いになる可能性もあります。それを避けるべく、品物ではなくお金をお供えしたほうが喜ばれるケースもあります。
その際には不祝儀を使い、表書きは「御仏(佛)前」「御供物料」などにします。水引は黒白が基本だが、地域によっては黄白の結び切りを使うこともあります。
金額は、友人知人で3千円もしくは5千円程度が相場です。初盆であれば、5千円から1万円ほど。気持ちを伝えるためのものなので、金額にこだわる必要はありません。多すぎず少なすぎずの金額として、5千円がベストかもしれません。
おがらを焚いてお見送り
送り火は、迎え火をした場所で行います。迎え火と同様に、おがらや白樺の皮を焚いて、ご先祖様の帰り道の道しるべとします。盆提灯の場合はそれを持ち出し、お見送りをしたあとに灯りを消します。牛に乗ってゆっくりとご先祖様が帰っていくことを想い、迷わず浄土にいけるよう心を込めてお見送りをしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょか?ご家族みんなでご先祖様に感謝する事で、夏の素敵な思い出にもなるでしょう。