経机って必要?あると便利な定番アイテムをご紹介します

仏具・仏事の豆知識

お仏壇の前に置く経机(きょうづくえ)をご存じでしょうか。
仏壇購入時にセットで販売されているイメージがありますが、後からどのようなものを買い求めれば良いか迷う方も少なくありません。

今回は、仏壇の周りに欠かせないアイテムのひとつ、経机についてご紹介します。

経机とは

経机とは、先述の通り仏壇の前に置いて使用する、木製の小さな机を指します。
経机は元来どのような目的で使われ、現代ではどのように使用方法となっているのでしょうか。

もともとは写経に使われていた

かつての経机は、お経を書く時や絵本を置く時に使われるのが一般的でした。

そもそもの用途はそれのみであったため、サイズは比較的大きくありません。
現代で言うところの、勉強机のような役割を担っており、机の両端には筆が落ちないように筆返しと言われる突起、さらには筆や硯(すずり)を収納できる引き出しもついています。

今では仏具の置き場所として使われる

昔の使用目的とは異なり、現代の経机は、主に仏具を置く台として使用されています。
宗派によって作法は異なりますが、仏壇の中に正式な仏具を全て置くと、仏壇内が窮屈になることがあります。
その際は、経机に仏具を置くことで対応します。

また、仏壇の作りによっては線香をあげにくい高さのものがあるので、その場合も経机に香炉や線香立ておりんなどを置いて対応します。

経机の利点

経机の利点は、以下のものがあげられます。

引き出しがあること

経机は元々、勉強机としての役割もあったため、筆や硯などを収納するための引き出しがついています。
現代では、線香やロウソク、数珠、お布施用の封筒、経本などの仏具を収納できるため、非常に便利です。

万能机であること

弔問客が大勢きた場合に、必要な仏具を置くことができ、お参りしやすくなります。

安全性の確保ができること

経机を使うことで仏具同士のスペースを確保し、ロウソクや線香の火が他の仏具やお供え物に燃え移るのを防ぐことができます。

また、上置きの比較的小さなお仏壇内でローソクやお線香に火をつけると、お仏壇内の天井が焦げてしまったという事例もありますので、火を扱う際は仏壇の膳引きを引き出したり、経机を用意して、お仏壇の手前で行うのが良いでしょう。

経机と供物机の違い

供物机とは、お供え物を載せる台のことで、基本的に引き出しや筆返しはありません。サイズは供物台の方が大きめに作られていることが多く、配置は奥から【お仏壇】→【供物机】→【経机】の順で置かれます。

現代では住環境の変化もあり、2つ机を用意することも難しくなり、供物机は省略されることもあります。さらに経机のデザインもシンプルなタイプも増え、経机と供物机の明確な違いはなく、互いに代用として使われています。

自身の仏壇や仏壇前のスペースに合わせて、最適なものを選ぶと良いでしょう。

経机の種類

かつては伝統的なタイプが主流でしたが、近年では仏壇と同じように、経机にも素材やデザインなどが異なるいくつかの種類があります。
経机と仏壇のデザインを必ずしも揃える必要はありませんが、テイストを揃えることで全体的なバランスは良くなります。

ここでは、経机を種類別に解説していきます。

唐木経机

唐木経机は、黒檀や紫檀、欅などの唐木と呼ばれる素材で作られた経机です。
木目が美しく、温かみを感じることができるため、経机や仏壇の製作に古くから使われ、親しまれている定番の素材です。
天然木材をふんだんに使用して作られている品は、重厚感があって、より格式高い印象を与えてくれます。

最近では、芯材に木目調のプリントを施したものや、木目調のシールなどを貼ったものが手ごろな価格で販売されています。

塗経机

金仏壇に合わせてデザインされた経机を塗経机といいます。
金仏壇は、全体的に黒の漆塗りが施されており、内側は金箔が張ってある豪華な仏壇です。
塗経机は、黒や朱に漆塗りがされていて、内部や縁取りに金箔があしらわれています。

豪華なデザインである金仏壇には、華やかで高級感のある塗経机がよく合います。
家庭で金仏壇を使用している方は、塗経机を選ぶと統一感が出て良いでしょう。

モダン経机

近年、生活スタイルの変化などによって和室が減り、洋室に調和するようなデザインの商品が増えています。明るいナチュラル系の色、落ち着いたダーク系の色など家具に合った色味を選べるので、様々なお部屋やお仏壇に合わせてお選びいただけます。
また、モダン経机は、サイズが比較的に小さく、シンプルでスタイリッシュなデザインが多く、簡単に持ち運びが可能です。折りたたみ可能なもあるので、不要時は収納しておくこともできます。

仏壇や住環境に合わせて用意すると良いでしょう。

経机を購入する前の注意点

仏壇と経机を別々に買う場合は、いくつかの注意点があります。
注意点を知らなければ、「先に調べておけばよかった」などと購入後に後悔することもあるでしょう。

ここでは経机を購入する前の注意点を解説していきます。

仏壇をよく確認しておく

経机と仏壇を別々で購入する場合は、仏壇のタイプをしっかり確認しておきましょう。
仏壇の中には、下台付きの商品や仏壇のタイプに合わせた経机が、予め付属されているセット商品もあります。

一見、経机に見えなくても、下台部分を引き出して使える商品もありますので、必ず確認するようにしましょう。
もともと下台や経机が付属されている商品の場合は、経机は不要です。

経机掛もお忘れなく!

経机には敷物(マット)を敷くことをお勧めします!経机に敷く敷物(マット)のことを「経机掛け(きょうづくえかけ)」と呼びます。

経机掛には経机を汚れ・ほこり・傷から守る機能性と、見栄えが良くなる意匠性があります。

経机掛けの多くのものに防炎加工が施されているため、ロウソクをうっかり倒してしまったり、線香の灰を落としてしまったりした際にも火事を防ぐことができます。
ただし、最近ではデザイン性に特化した安価なものも多く販売されていますので、防火加工が施されているか確認して購入することが必要です。

また、日々仏壇にお参りをする中で、経机にお供え物や仏具を落とし、傷をつけてしまうこともあるでしょう。経机掛けを敷いておくことで、衝撃を抑え、経机や仏具を保護できます。

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豊富な色・柄の中から、季節に合わせてコーディネートすること可能です♪

まとめ

仏壇の周りに欠かせないアイテムのひとつ、経机について解説してきました。

材質やデザインなど、昨今の住宅事情や仏壇事情に合わせて様々です。お選びになる際はご自分にあった経机をお選びください。また、経机を購入する際は汚れや傷などから経机を守る「経机掛け」もお忘れなく!

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