「実家じまい」で仏壇をどうするかは、多くの方が悩むポイントです。お仏壇はご先祖様や家族の信仰を象徴するもので、適切な対応が必要です。昨今は宗教離れも進んでおり、お仏壇に思い入れがなく特にお仏壇の必要性を感じていない人も少なくありません。
とはいえ、ご家族が代々大切にしてきたお仏壇をそのままにしておくのは気がかりですよね。今回は実家じまいの際の対処方法や意識すべき点についてご紹介します。
仏壇の引き取り先を決める
まずは親族や家族に引き継ぐか処分をするのかについて家族間でしっかり話し合い、意見をすり合わせることが大切です。引き継ぐ場合は引き継ぎ先の住宅事情や、嫁ぎ先に既にお仏壇がある場合の配慮も必要でしょう。処分する場合にはどこに依頼するのか、費用も事前に調べて負担する人に共有することが大切です。以下に選択した方法毎の流れについて説明していきます。
仏壇を残すケース
実家から自宅へ仏壇を移動する
自宅に仏壇を置くスペースがあり、移動しても問題がないようなら仏壇を引き継ぐのがよいでしょう。ここで注意したいのがお仏壇を移動する前に行う閉眼供養と自宅に到着したときに行う開眼供養です。
お付き合いのあるお寺さんがいらっしゃる場合は依頼をしましょう。宗教離れに伴い、菩提寺がなくお寺さんとの接点がない人も増えています。そのような場合には仏具店や専門業者に依頼する方法もあります。
小型仏壇への買い替え
住宅事情により仏壇を置くことが困難な場合には小型仏壇への買い替えも選択方法の一つです。
小型仏壇はコンパクトで、限られたスペースにも置けます。上置型といって棚や台の上に置くタイプは家具の上に設置ができるのでスペース問題もクリアできます。また、家具調でリビングに馴染むデザインが特徴のモダン型のお仏壇も普及が進んでおり一般的に大型仏壇よりも価格が手頃です。
仏壇を処分するケースの手順
仏壇を処分することは罰当たりな行為に思えて抵抗がある人も少なくないでしょう。本来、仏壇は明るく風通しのよい、皆が手を合わせられる場所に設置するものです。環境の良くない場所に放置しておくことが気がかりになるようなら処分することを検討しましょう。
供養をする
仏壇を処分する際にも移動するときと同様、閉眼供養を行います。仏壇から魂を抜き、物品として扱う状態にします。この儀式は、仏壇を長年使用してきたことへの感謝と、供養の区切りをつける意味があります。一般的にはお坊さんに供養を依頼しますが、お付き合いのあるお寺さんがいない場合はインターネットで探すこともできます。利点としては金額が明確でウェブからの予約もできるところです。
処分する
魂を抜いたお仏壇は家具同様、物として扱われます。処分方法は様々です。
自分で処分する
住まいの自治体の費用や回収日時に従って自分で処分することは、手間はかかりますが一番安価な方法と言えるでしょう。費用は自治体によりますが1,000~2,000円程度と考えましょう。
お寺に依頼する
閉眼供養と一緒に仏壇の処分も依頼できる場合があります。菩提寺がない場合は宗派の同じお寺に依頼しましょう。費用が高額なうえ明確でないケースが多いですが(相場は閉眼供養とあわせて5万~10万円前後)、然るべきところに依頼することで安心して任せられるメリットがあります。
仏具店に依頼する
仏具店でも処分の依頼ができます。仏具店にお願いするメリットとしては買い替えを検討している場合仏壇の購入も併せてできるところです。また、仏具も一新したい場合にはプロが相談に乗ってくれるでしょう。新たに購入をしなくても処分だけでも受けてくれる仏具店もあります。またお寺と違い、宗派を気にする必要がありません。
まとめ
現代は跡継ぎのいない仏壇も増え、実家じまいを機に仏壇じまいを検討する人も増えてきました。先祖が大切にしてきたお仏壇を引き継げることがベストですが、住宅事情などにより維持することが困難な場合もあります。
しかし、何より大切なことは、ご先祖様に感謝をすること、ご先祖様を敬う気持ちです。
空き家に手も合わせられず放置されている仏壇を思うと気がかりでしょう。それならば跡継ぎのいない仏壇は、この機会に処分することを前向きに検討してみましょう。
自宅や身近な場所で故人を偲ぶ方法として手元供養も近年注目されています。
どのような方法が自分や家族に合うか、じっくり考えることをおすすめします。
