位牌が必要になったけれど、そもそもどこで作ればいいのか分からない。けれど、誰に訊けばいいのだろう?そんな風に悩まれてはいませんか?
ここでは、お位牌を作る時に知っておきたい事や、作る場所、作った後のメンテナンス方法までご紹介していきたいと思います!
知っておこう!位牌をつくるときのポイントとは
ただ単に位牌を作ってしまうだけでは、色々な問題が生じてしまいます。位牌を作る際には、以下の点をあらかじめ押さえておくと良いでしょう。
戒名の重要性
位牌には戒名(かいみょう)または法名(ほうみょう)が記されます。戒名(法名)は仏教において故人が成仏するための名前であり、位牌に刻まれる非常に重要な要素です。戒名(法名)は通常、葬儀を担当した僧侶や寺院に依頼してつけてもらいます。戒名(法名)のランクや内容により、費用が異なる場合もあります。
位牌の種類と材質の違い
位牌には、黒塗りの本位牌や白木位牌などさまざまな種類があります。さらに、黒檀や紫檀、桜、楠といった材質の違いによっても、価格や見た目、耐久性などが異なります。どの種類や材質が良いのかは、家の宗派や好みによって異なるため、事前に調べることが重要です。種類や材質についてはこのコラムでも扱っています。こちらの記事を参考にしてみてください。
位牌のサイズとデザイン
位牌のサイズやデザインも大切な要素です。仏壇に適したサイズであることはもちろんですが、故人の趣味や家族の意向を反映したデザインを選ぶことも考慮しましょう。家の仏壇の大きさや他の位牌とのバランスを考えながら選ぶことが大切です。どのサイズにするのかに迷ったときには、近隣の仏具店の店員に訊いてみるとよいでしょう。
費用の相場と予算
位牌の価格は、材質、サイズ、デザイン、戒名のランクなどによって大きく変わります。一般的には数万円から十数万円程度ですが、高級材質を使ったり、特別なデザインにするとさらに高額になることもあります。このコラムでも取り上げていますので、こちらの記事を参考にしてみてください。また、製作をお願いする場所によって文字入れ代金の金額設定の仕組みが違います。中でも、一文字換算での合計金額になる場合、より高くなってしまいます。予算をしっかり考え、家族や僧侶と相談して決めるとよいでしょう。
開眼供養の手配
位牌を作成した後は、僧侶にお願いして「開眼供養」を行うことが一般的です。この供養によって、位牌が正式に故人の魂を祀るためのものとされます。どの寺院や僧侶に依頼するか、供養の日取りなども事前に調整する必要があります。
仏壇での位牌の配置
位牌は仏壇の中でどの位置に安置するのが適切かを知ることも大切です。通常、中央の最上段に安置しますが、家に複数の位牌がある場合や仏壇の大きさによって、配置方法も変わります。どうすればよいのか迷った場合は、仏具店に相談することもおすすめです。
宗派ごとの違い
位牌の形状や作法、戒名の付け方などは宗派によって異なる場合があります。家がどの宗派に属しているのか、またその宗派の位牌の習慣を知っておくとスムーズです。僧侶や仏具店に相談するのも一つの方法です。
このように多くのポイントがあります。位牌を作る時には時間に余裕を持って、早い段階から家族やお寺と相談しながら、最適な位牌を選ぶことが大切です。
位牌を作れる場所はいくつかある!?手配の方法を知ろう
お位牌を作ろうと思ったときに、多くの方がまず町の仏具店を思い浮かべるでしょう。けれど、自分の町にはなかったり遠かったりすると、不便ですよね。実はお位牌を作れる場所は仏具店だけとは限りません。現在では様々な方法があり、自分に合った方法で作ることが可能です。ここでは、位牌を作る主な場所とその特徴を紹介しましょう。
仏具店(仏壇・位牌専門店)
仏具店は位牌の専門店であり、さまざまなデザイン、材質、サイズの位牌を取り扱っています。仏具店のスタッフは仏事に詳しいため、戒名やデザインのアドバイスを受けることができます。実物を見て選べるため、品質や細部の確認ができる事が利点です。オーダーメイドの対応も可能で、細かな要望に応じてくれる店も多くあります。ただし、店舗の規模によって取り扱い数に限りがあります。その場に希望の位牌が用意できず、対応できない事も多いことを覚えておきましょう。
インターネットの仏具専門通販サイト
オンラインで多くの位牌を比較し、注文できる便利な方法です。多くのサイトが詳細な写真や説明を提供しており、レビューも参考になります。価格が比較的安いことが多く、完成までが通常の店舗よりも早いことが利点です。自宅から選んで購入できるので、忙しい人にも便利です。幅広い選択肢があり比較しやすいでしょう。ただし実物を見て確認できないため、品質や細部についてはレビューや評価をよく確認する必要があります。信頼性の高いサイトを選ぶことが大切です。また、文字内容の確認は自分自身の責任になってきます。お店側とトラブルにならないように、必ず戒名をよく確認して申し込むようにしましょう。
お寺や仏教会館
多くのお寺や仏教会館では、位牌の注文を受け付けています。僧侶が戒名をつける際に、位牌の作成も一緒に依頼することができるため、スムーズな手配が可能です。宗派に合った正確な位牌を作れる点が利点です。僧侶から直接アドバイスを受けられるため、宗教的な側面からも安心感があります。開眼供養も一緒に依頼できる場合が多く、一度の依頼で全てを手配することが出来ます。ただしお寺や宗派に強いこだわりがある場合、僧侶の意向が強く反映されるため、家庭に合わせたカスタマイズが出来ません。モダンなデザインの位牌も少ない点も覚えておきましょう。
百貨店や大型仏具チェーン店
一部の百貨店や大型仏具チェーン店では、幅広い価格帯やデザインの位牌を提供しています。店員も仏事に関する知識が豊富で、相談に乗ってくれることが多いです。品質の良い商品を提供していることが多く、アフターサービスも充実していることが利点といえます。ただし、費用が通常よりも割高になる傾向があります。また多くの場合、製作を外注している事が多いので、急ぎの注文の場合は、対応できないことが多いことを覚えておきましょう。
地域の仏具工房
地域にある小規模な仏具工房でも、手作りの位牌を依頼することができます。職人の手作業による細やかな仕上げや、伝統的な技法を活かした位牌が特徴です。オリジナリティのある位牌を作ることができ、細かなカスタマイズも相談可能です。工房によっては、直接職人と話し合いながら制作を進めることができる点が利点といえます。しかしながら、特別な加工となってくると都度見積になることがある為予算を決めにくく、気が付けば予算をオーバーしている、といった事にならないように注意が必要です。またオリジナル位牌にすることで、他店での取り扱いが無い為、今後同じ位牌を入手する際には他店で購入できなくなることを覚えておきましょう。
位牌をどこで作るかは、予算、品質、信頼性、宗派や仏事に対するこだわりなど、さまざまな要素を考慮する必要があります。どの場所で作るにしても、事前にリサーチを行い、信頼できる業者や店舗を選ぶことが大切です。
位牌のメンテナンス方法を知ろう
位牌を作って仏壇に納めたけれど、その後のメンテナンスはどうすればいいの?と疑問に思われている方も居るのではないでしょうか。
最後に、位牌のメンテナンス方法について詳しく説明していきましょう。
定期的な掃除
位牌は定期的にほこりを取り除くことが大切です。ほこりが積もると、表面がくすんで見えたり、素材にダメージを与える可能性があります。乾いた柔らかい布や、柔らかい毛のハケ(筆など)を使って、優しくほこりを拭き取ります。特に彫刻の細かい部分や角の部分にはほこりがたまりやすいので、丁寧に掃除しましょう。化学薬品や水分を含む布は使わないようにします。これらは位牌の塗装や木材を傷める原因になります。
湿気に注意する
位牌は木製であることが多いため、湿気には弱いです。湿気が多いと木が膨張したり、塗装が剥がれる原因となることがあります。湿度が高い季節には、仏壇の扉を少し開けて風通しを良くし、湿気を逃がすようにします。逆に乾燥しすぎると木が割れることもあるため、極端な環境にならないよう注意が必要です。
直射日光を避ける
位牌を長時間直射日光にさらすと、色褪せや劣化の原因となります。仏壇の位置や扉の開け方に注意し、直射日光が当たらないようにしましょう。
汚れがひどい場合の対処法
長年の使用で位牌に汚れがついてしまった場合、少量の中性洗剤を水で薄めた液を柔らかい布に染み込ませて、軽く拭きます。その後、乾いた布でしっかりと乾拭きします。汚れが取れにくい場合は、無理にこすらず、仏具店や専門業者に相談してクリーニングや修復を依頼するのが安全です。
位牌の金箔部分の手入れ
金箔や漆塗りが施された位牌は特にデリケートです。金箔部分は擦ると剥がれる恐れがあるため、軽く叩くようにしてほこりを取り除く程度にとどめます。指で触れると油脂跡が残り変色してしまうので、金の部分は極力素手で触れないようにしましょう。
破損や劣化した場合の修理
位牌が破損したり塗装が剥がれてしまった場合、無理に修理しようとせず、専門の仏具店や修理業者に依頼しましょう。特に伝統的な技法で作られた位牌は、専門的な知識を持つ職人にしか修復できないことが多いです。
位牌の再塗装や金箔の補修
年数が経ち、位牌の塗装が剥げてきたり、金箔が劣化した場合は、再塗装や補修を考えると良いでしょう。専門業者に依頼すると、新品同様に美しい状態に戻してもらうことができます。
定期的な仏壇内の清掃
位牌だけでなく、仏壇全体を定期的に清掃することも重要です。仏壇内が清潔であれば、位牌も良好な状態を保ちやすくなります。仏壇の掃除も、位牌と同様に柔らかい布やハケを使い、丁寧に行いましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。位牌のメンテナンスは、故人を敬い、日々の供養を大切にするためにも非常に重要です。定期的な掃除と適切な保管環境を維持することで、位牌を美しく保ち、長持ちさせることができます。もし位牌に特別な問題が発生した場合は、専門の仏具店や修理業者に相談するようにしましょう。ご相談は弊社HPからも受け付けております。ぜひご相談ください。