本尊はどうやって選ぶ?種類と入手方法を知ろう

仏具・仏事の豆知識

お仏壇と一緒に多くの方が祀られることになるご本尊。いざ用意をしようとしてみると、なんだか種類がいっぱい。一体どれを選べばいいんだろう?自分の宗派に合っているの?これから長年祀るからこそ、不安になってきますよね。

ここではそんな本尊選びで、重要なポイントをいくつか押さえていきたいと思います!しっかりポイントを把握して、ご家庭にぴったりな本尊を見つけましょう。

本尊の種類と選び方、注意点

本尊形態の種類とポイント

皆さんは、本尊といっても色々な形態があるのはご存知でしょうか?まず初めに本尊を選ぶ際に、以下のポイントを考慮することが大切です。

  • 宗教や信仰の教えに基づく本尊を知る

あなたが信仰している宗教や教えに基づいて本尊を選ぶことが重要です。例えば、仏教では、浄土宗なら阿弥陀如来、真言宗なら大日如来など、それぞれの宗派において中心となる仏がいます。

  • 教義や経典の理解

その宗教の教義や経典をよく理解し、その中で推奨されている本尊を選ぶことも有効です。教えの中で特に強調されている仏や菩薩を本尊とすることで、信仰の深まりが期待できます。

  • 宗教や信仰の伝道師によるアドバイス

お世話になるお寺の僧侶や、宗教の専門家に相談することも重要です。彼らは豊富な知識と経験を持っており、あなたの状況や信仰心に合った本尊を選ぶ手助けをしてくれるでしょう。

上記の点を踏まえてから本尊の形態に注目すると、何が相応しいのかが発見しやすくなるでしょう。多くの宗派の場合、本尊は掛け軸小型の仏像のどちらかとなり、モダンなデザインの本尊か伝統的なデザインの本尊から選択することになります。掛け軸と仏像のどちらを選ぶかは、あなたの信仰のスタイルや礼拝スペースに依存します。本尊を選ぶ際は特に、指導者たちの強い希望が存在することもあります。最終的にどちらを選択するのかは、彼らとの話し合いを十分に重ねておくことが大切です。

本尊に掛け軸を選ぶ際の注意点

  • サイズとスペース

掛け軸のサイズが、自宅の仏壇や礼拝スペースに適しているか確認します。狭いスペースには小さめの掛け軸、大きなスペースにはそれに見合った大きさのものを選びます。

  • 品質と素材

掛け軸の品質と素材に注意を払いましょう。高品質な絹や紙に描かれたもの、しっかりとした木製の軸を使用しているものが良いです。

  • 絵のスタイルと詳細

描かれている本尊の姿が自分の信仰心に響くかどうかも重要です。基本的に、モダンなデザインの掛け軸を選んだ場合でも、描かれる本尊の姿は伝統的な姿です。その中でも詳細に描かれているものや、教義に沿った伝統的なスタイルで描かれているものを選ぶと良いでしょう。

本尊に仏像を選ぶ際の注意点

  • 材質を選ぶ

木製、金属製(銅、真鍮など)、石製など、様々な材質があります。家庭で使用されるものとしては木製の仏像が最も多く、高価なものでは白檀などの香木を使用した物もあります。長持ちし、見た目が美しい材質を選びましょう

  • 彫刻の細部を見る

仏像の彫刻が精巧であるかどうかを確認します。細部まで丁寧に彫られている仏像は、信仰の対象としても価値が高いです。宗派によっては光背(仏像背面にある独立した飾り)に決まりがある場合があるので、自身の宗派の決まりも確認しておきましょう。

  • 大きさと重さを考慮する

仏壇や礼拝スペースに合った大きさを選びます。重さも考慮し、安定して設置できるものを選びましょう。

  • 表情と姿勢

本尊の表情や姿勢が、自分の信仰や祈りの気持ちに合うかどうかを確認します。特に穏やかで慈悲深い表情の仏像が一般的に好まれます。宗派によっては仏像の姿勢に決まりがある場合があるので、自身の宗派の決まりも確認しておきましょう。

  • 予算

仏像は掛け軸と比べると、材質や作りによって価格が大きく変わります。高品質な仏像は高価になることが多い為、予算に応じて選ぶことも大切です。信仰の対象であるため、無理のない範囲で納得のいくものを選びましょう。

モダンなスタイルの本尊

上記の様に基本的なスタイルは踏襲しつつも、より現代の暮らしに合わせてデザインされた本尊も近年増えてきています。

例えば掛け軸であっても、アクリル板やフレームに入れて、そこに土台を付けることで自立出来るようにした物も多く販売されています。この場合、風に揺れて捲れあがったり、本尊が線香煤で黒ずんだりせず、ステージ型仏壇でも掛け軸が祀れるようになるため人気を集めています。

仏像は、より彫りのラインがシンプルですっきりとしていたり、台座が従来の物とは違い華やかで、小ぶりな物が多く作られています。

人気がある一方で、現代的な顔立ちに違和感を覚えたり、教義に沿っているのかという点では意見が割れることが多くあります。モダンなスタイルの本尊を選ぶ際には、家族やお世話になっている寺院等に相談をしてから決めることをお勧めします。

本山受けって一体なに?お店の物との違いを知る

一般のお店で購入できるものの別に、信仰している宗教母体から直接購入する「本山受け」と呼ばれる物があります。主に浄土真宗と日蓮宗に、本山受けの本尊が存在しています。

ご自身が信仰している宗派の教義に合っていれば、どの本尊を使用しても間違いではありませんが、本山物と一般で売られている物には、いくつかの違いがあります。特徴を理解し、自分の信仰や用途に合ったものを選ぶことが大切です。

本山掛け軸の違いと注意点

本山受け掛け軸とは、本山(宗派の総本山や大寺院)が監修または制作する物であり、宗教的な正統性や格式が高いとされています。本山の認定を受けた職人が制作し、品質や宗教的な意義が保証されています。お世話になっているお寺と話し合い、一般に販売されている物とどちらにしようか迷った際には、以下の点を認識しておくと選びやすいでしょう。

  • 信仰の深さと用途

指導者による指示や法要などが多く予定されている場合、本山掛け軸が適しています。宗派の正式な認定を受けた掛け軸は、信仰の中心として相応しいものです。一方で法要の予定が無く、個人的に祀りたい場合や日々の礼拝には一般で販売されている本尊が良いでしょう。

  • 予算の都合、仏壇のサイズの都合

本山受けの掛け軸は通常、一般販売の物よりも高価です。予算に余裕がある場合や、特別な意味を持つ本尊を求める場合に適しています。大きさが決まっているので、仏壇のサイズにどうしても合わない場合は、一般販売の物を探してみるのも良いでしょう

  • 限定された入手方法

本山受けの掛け軸を入手するには、適切な手順を踏むことが重要です。

① 本山の公式ルートで購入

例えば浄土真宗なら西本願寺や東本願寺など、本山に直接訪問して、現地の売店や信徒向けのショップで購入することができます。また多くの本山は公式ウェブサイトを運営しており、そこで購入することもできます。

② 本山と提携している仏具店

掛け軸に関しては、本山と提携している、あるいは本山から推薦されている仏具店があります。これらの店で購入することで、本山の基準に合った掛け軸を手に入れることができます。

③ 地域の寺院、分院

地域の寺院で本山掛け軸を取り扱っている場合があります。特に、大きな寺院や総本山に関連する別院などは、本山受けの本尊を販売していることがあります。

本山受けの仏像と注意点

上記の入手方法は主に掛け軸の入手方法であることが多く、本山受けの仏像を受ける場合はさらに複雑になります。手順は宗派や本山ごとに異なりますが、一般的な流れとしては以下のような手続きが必要です。

1 所属寺院への相談

まずは所属している寺院(檀那寺)に相談します。住職に本山受けの希望を伝え、手続きの詳細を確認しましょう。

2 申請書類の提出

所属寺院の指導のもと、必要な申請書類を作成し、本山に提出します。

3 受け取りの許可

本山での審査を経て、受け取りの許可が降ります。審査の期間は宗派や本山によって異なります。

4 授与式への参加,本尊の受け取り

許可が降りた後、本山で行われる授与式に参加します。祝福や祈願が行われ、授与式後、本尊を受け取ります。本尊は、宗派の教義に従った形式で製作されており、正式な手続きを経て授与されます。

5 自宅での安置

本尊を受け取った後は、自宅の仏壇に安置し日々の礼拝や祈願を行います。

各宗派や本山の具体的な手続きについては、それぞれの本山の公式ウェブサイトや直接問い合わせることで詳細を確認することができます。詳細に知りたい場合や掛かる時間などを知りたい場合は、ご自身でお問い合わせしてみるのも良いでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。ご本尊はご先祖様をお守りしてくださるだけではなく、祀ることで私たちの幸せも加護してくださると言われています。ご自身の信条やライフスタイルに合わせて、より適切で信頼の出来る本尊を探してみてくださいね。

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