仏壇の修理やクリーニングを依頼したことはありますか?普段は埃を払うくらいで、自分で本格的に掃除することは少ないのではないでしょうか。大事にお手入れをしている仏壇でも、経年劣化してきたり、ペットや子どもが壊してしまったりして修理が必要になる場合もあります。今回は仏壇の修理、クリーニングの方法についてご紹介します。
仏壇の修理・クリーニングとは
仏壇の修理やクリーニングとは、どのようなことができるのでしょうか。具体的な内容について解説します。
仏壇の修理とは
完全修復と部分修理の2種類があります。
・完全修復
仏壇を全体的に確認し、細かい部品まで取り外して洗浄します。壊れたところがあれば修復、交換などを行います。職人が新品の仏壇をつくるのと同じように作業するため、仏壇が新品のような輝きを取り戻します。
・部分修理
部分修理は、壊れたところのみを修復することです。特定のところの機能が壊れている時にその機能を回復させるのが目的なので、洗浄の必要がなければ洗浄はしません。完全修復と部分修理では内容が異なるので、頼みたいのはどういった修理なのか確認しておきましょう。
仏壇のクリーニングとは
クリーニングは部品を細かく分解して掃除をします。仏壇の扉や障子、金具などの細かいものもパーツごとに分解します。仏壇の裏側など見えないところにも埃がたまっており、普段の掃除ではきれいにできない部分も分解して掃除してもらうことですみずみまですっきりときれいに。
伝統技術と最新の洗浄技術を組み合わせ、材質によって合う方法で汚れを落とします。埃だけでなく、線香のスス汚れやろうそくのこびりついた汚れなども落ちてきれいになります。金具は取り外して薬剤に漬けこめば、本来の美しい色を取り戻しますよ。
・唐木仏壇
仏壇は金箔や漆、唐木など、扱いがデリケートな材質でできていることが多いので、普段の掃除では埃をとるかからぶきくらいしかできません。木材の仏壇は唐木仏壇と呼ばれます。
エアコン、直射日光、多湿な環境に置くとゆがんだり、内装がはがれたり、カビが発生したりするので置き場所には注意が必要。木材でできている仏壇は割れや変形がある場合は新しい板に交換します。下地の塗装を修復、塗り直し、そのうえに漆を塗り直したりして修復が完了したら組み立てます。
・金仏壇
金仏壇の場合は、金箔や漆を塗り直します。蒔絵の書き直しなども行えば、新品のような輝きを取り戻すでしょう。金仏壇は金箔を使うので唐木仏壇より修理が高価になります。
仏壇の修理・クリーニングはどこでできる?
仏壇の修理、クリーニングはどこに頼むのがよいのでしょうか?大切な仏壇を預けるのにおすすめの頼み先について解説します。
仏壇、仏具店に頼む
仏壇、仏具を販売している店舗に依頼するのがひとつめの方法です。すべての店舗が依頼を受けてくれるわけではなく、販売のみ行っていて製造はしていない店舗では修理の依頼を受け付けていない場合が多いので注意してください。
職人が在籍していて、仏壇の製造をしている仏壇仏具店であれば依頼できる場合が多いです。しかし自社で販売した仏壇しか対応していない場合や仏壇の種類によって対応可の場合などもあるので確認して依頼するようにしましょう。
仏壇修理の専門店に頼む
仏壇はどこで購入したか分からない、引っ越してしまったので購入した仏壇店には行けないなどの場合は専門店に頼むのがおすすめです。専門店はさまざまな仏壇に対応でき、また専門的な高い技術力があるので安心して仏壇を預けることができます。
修理・クリーニングにかかる費用は?
費用はどれくらいかかるのでしょうか?相場について解説します。
金仏壇の場合
金仏壇は漆や金箔が使われた仏壇で豪華なものが多いです。蒔絵に金粉が使われており、蒔絵の修繕も必要、かつ金箔が高額になるので唐木仏壇より料金は高額。代金の相場は18万から24万円程度になります。
仏壇のサイズや種類、店舗によって金額が変わってくるため下調べが必要です。修理の場合は洗浄が必要かどうか、修理の個所によって金額が異なります。
唐木仏壇の場合
唐木仏壇はケヤキ、桑、黒檀や紫檀でつくられています。代金の相場は8万円から16万5,000円程度になります。唐木仏壇も金仏壇と同じように、サイズや店舗によって金額に幅があるため、しっかり確認してから依頼をするようにしてください。
まとめ
仏壇は普段こまめに埃をとっていても、経年とともに劣化してしまったり、いつの間にか壊れてしまったりするものです。大事な仏壇をずっと家に置いておきたい気持ちがある方も多いとは思いますが、どこかのタイミングでクリーニングに出すと、仏壇がきれいになるのでまた大事にしようという気持ちになれますよ。
クリーニングの際には、魂抜き、魂入れの儀式を僧侶にしてもらい、しっかりと手続きを踏んでから作業してもらう必要があります。作業は洗浄や乾燥に時間がかかり、数か月かかることもあるため大事な法要の前に間に合うよう計画的に依頼することが大切です。
仏壇をきれいにしてもらっている間に法要の準備や仏間の掃除を済ませておきましょう。きれいな仏間にきれいな仏壇が帰ってくると、すっきりした気持ちで手を合わせることができますよ。